今は無き場所へ

今日は仕事が休みなのでゆっくり休みました。生き返る。
1日中、家でゴロゴロしようと思っていたけれど、普段ほとんど家にいない僕なので家にいると用事を頼まれるのです。
郵便局に支払いとか、クリーニングに出してきてとか、有馬記念で当たった馬券を換金して来てとかさ。
というわけで、去年の12月31日で81年の長い歴史に幕を閉じた高崎競馬場に行って来ました。
すっかり寂れているかと思いきや、今日は大井競馬場の場外発売をしていて意外と混雑していた。お客のほとんどが中年というか高齢者に近い人達ばかりである。
きっと決まってそこにいるんだろうなぁって思うくらい、みんなに居場所があった。
トイレに行って、手を洗う僕は隣で手を洗うおっさんの顔を見る。なんだか自分にそっくりな目をしていた。でも、僕の居場所はここには無い。


高崎競馬場というと昔、父に連れて来てもらった事を思い出す。
父はギャンブル好きで、特に競輪が好きだったと思う。小学生の時からよく一緒に連れて行ってもらっては、万馬券ばかりを狙う子であった。万馬券ばかり狙うのは今も変わらない。
当時は高崎競馬場もそれなりのにぎわいがあって、パドックとかにも人が溢れていて子供の僕なんて馬がよく見えなかったくらいだ。
そして、今日誰もいないパドックを一回りする。僕にはぐるぐる回る馬が見えた。


換金を済ませ、せっかくだからと競馬場をぐるっと1周した。
レース前になるとダートコースをきれいにならすのである。今日見たコースは車の車輪後だけが残っていて、蹄の後なんて見えなかった。
81年の歴史の中で出会いと別れ、栄光と破滅、いろんな事が生み出されて行ったのだろう。しかし、ただ馬はひたすらに走るだけである。81年間変わらずに。
ドラマは周りで起きるにすぎない。
さようなら。