常連のおじいさん

写真屋の常連客のおじいさんがいます。もう80才くらいのおじいさん。
入れ歯をしていないと、全く何を言っているかわからないおじいさん。
ニコンF5を持っていて、階段からよく落としてはお店へ修理依頼に来ていたおじいさん。ニコンの一眼タイプのデジカメD70を発売日に買ってしまったおじいさん。
墓場まで持っていくよ!!なんて笑って、嬉しそうにD70を抱えるおじいさん。


つい最近倒れたらしいのです。
おじいさんは、おばあさんと二人暮らしだけれど、おばあさんも、体が弱っているらしく日常生活が間々ならないって言う話も聞きました。
おじいさんは、まだ左手麻痺していたりで、外出禁止だそうです。
そんな状態のおじいさんが、今日お店に来たらしいのです。
麻痺でうまく動かない左手で杖をつきながら。
店長がどうしたのか?って聞いたら、D70が壊れてしまった。っていつもの修理の依頼。故障原因は、コンパクトフラッシュの差し込み口に逆向きに無理矢理入れてしまったためらしい。カメラもおじいさんも、かなりの重症だって店長が言ってました。
外出禁止なのに、カメラが壊れたって外出してしまうおじいさん。
本当にカメラが、写真が好きなんだなぁとなんだか僕は寂しくなってしまいました。
正確にいうと、寂しいではないのだけれど、うまい言葉が見つかりません。
おじいさんが元気になって、D70できれいな紫陽花の写真を撮れる事を祈ります。